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2020年05月03日

河北潟湖面利用ルールについて

河北潟では、貴重な潟の自然環境を守り、これからも残していくために、人も生物も共存できるためのルールが利用者によりつくられています。この河北潟湖面利用ルールは、利用者が自主的に運用し、河北潟湖面利用協議会において見直し、拡充が図られていくものです。河北潟湖面利用協議会への参加、ルールの運用、普及にご協力をお願い申し上げます。

【ルール策定】 2003年2月7日
【共通ルール:1年中】
1)モーターボートは、湖岸近くを高速で走行しないこと。(引き波が湖岸を揺らさない距離を保つ。)
2)モーターボートは、Uターンするときはできるだけ沖ですること。
モーターボートとは、ウェイクボート、水上バイク、バスボート、競艇ボートなどを示します。
湖面では、ゆずりあい、コミュニケーションを大切にしましょう。
釣りの方へ(モーターボート利用者より)・・・岸にいる釣り人に気づいていない様子の時は、岸から手を振ってもらえると助かります。
【地点ごとのルール】
【1.河北潟西部承水路の北部】
〔年間〕エンジンでの走行禁止
〔11月〜3月〕湖面での釣り自粛備考
 水域が狭いので、湖岸植生や水鳥への影響が懸念されるエリア。

【2.宇ノ気川河口付近(東部承水路の北部)】
〔年間〕モーターボートの乗り入れ自粛
 多様な生物の生息エリア。
 河北クリーンセンターより上流にある乱杭を目印とする。

【3.東部承水路の津幡漕艇場から津幡川上流200mまで】
〔3月〜6月〕釣り自粛
 野鳥の繁殖場所として重要なエリア。
 釣り人の長時間滞在により、親鳥が巣に戻れずに卵が冷えたり、育雛放棄するなど、野鳥の繁殖失敗につながるおそれがあるため。 

【4.河北潟東部承水路(湖南大橋より上流)】
〔年間〕モーターボートの低速走行※
〔12月〜2月〕湖面での釣り自粛
 湖岸に植生帯がひろがる重要なエリア。
 野鳥の繁殖場所、越冬場所としても重要。
 水域の幅が狭いことから、一年を通じて高速で走るモーターボートの利用は難しい。

【5.河北潟の南岸・競馬場西の入り江】
〔年間〕モーターボートの乗り入れ自粛
野鳥の繁殖場所、水鳥の避難場所、湖岸に植生帯がひろがる重要なエリア。
ボートの爆音や、予測不可能な激しい動きは野鳥への影響が大きい。

【6.大宮川河口〜金腐川河口一帯】
〔3月〜7月15日〕ボート出し入れ注意
大宮川河口から舟を出し入れする時は、河口左岸側に寄ること。
ボート、釣り人、野鳥観察者は、岸の近くに長時間とどまらないよう要注意。育雛中の親鳥が巣に戻れず卵が冷えるなど、繁殖を失敗させるおそれがある。

【7.野鳥観察舎周辺から防潮水門一帯】
〔年間〕モーターボートの乗り入れ自粛
野鳥の繁殖場所、水鳥の避難場所、湖岸に植生帯がひろがる重要なエリア。
ボートの爆音や予測不可能な激しい動きは野鳥への影響が大きい。

【8.内灘大橋の下から、湖岸の桟橋周辺まで】
〔年間〕モーターボートの低速走行
橋の下から桟橋の前を通過するまでは、低速で走行すること。橋の下がモーターボートの舟着場になっているが、そこから潟へ出入りする際に、桟橋や岸にいる釣り人に大きな波が打ち寄せるので要注意。(桟橋に釣り人がいる時は、その対岸側を通るなど、配慮する。)

※モーターボートの低速走行:基本的に高速走行するウェイクボート、水上バイク、競艇ボートによる競技・練習の自粛エリアとなります。

湖面利用ルールのチラシ komenriyou2017.pdf

【趣旨】
河北潟の水辺は、野生生物の貴重な生息環境です。湖面には、毎年2万羽のガンカモ類が越冬しています。湖岸のヨシ帯は、石川県指定希少野生動植物のチュウヒをはじめ、オオヨシキリやカイツブリの繁殖場所となっています。またギンブナやコイの産卵場所にもなっています。
水辺の緑と広い水面は、野生動物だけでなく、人々にとっても魅力的な場所です。河北潟は、昔からフナ釣りのメッカです。近年ではバス釣りの人たちが全国から集まります。カヌーの練習やモーターボート教習は以前からおこなわれてきましたが、最近では、水上バイクやウェイクボードなどの水上モータスポーツが増えてきました。アマチュア競艇の練習地にしたいという人たちも出てきました。あまり知られていませんが、野鳥観察にも全国から多くの人が訪れています。野鳥を撮るアマチュアカメラマンも増えています。
とても広くみえる河北潟ですが、野生生物にも住みやすく、またさまざまな目的で集う利用者の希望のすべてを満足させるには、河北潟は決して広くありません。広い面積を必要とするレジャーや集中的に環境への負荷を与える可能性のある利用には、注意が必要です。そこで、河北潟の湖面を利用する人たち皆が集まり、野生生物を守りながら、皆が河北潟を利用するための話し合いをおこなう場として、河北潟湖面利用協議会が結成されました。  
3回の話し合いにより、河北潟の湖面利用に関するルールを策定しました。ルールはチラシにして配布するとともに、同様の看板を河北潟の湖岸に建てて、ルールの普及をおこなっています。このルールは、河北潟湖面利用者が生態系へ配慮する立場に立って相互に自主的に守っていくものです。是非ともご協力のほどよろしくお願いいたします。

【河北潟湖面利用協議会参加団体】(団体所属の個人参加を含む)
石川県河川課、石川県県央土木総合事務所、石川県県央農林総合事務所、石川県自然環境課、石川県水産課、石川県ボート協会、いしかわ水辺再生研究会、内灘町環境政策課、大浦校下町会、金沢港湾事務所、金沢市環境指導課、金沢市環境政策課、河北潟沿岸土地改良区、河北潟環境対策期成盟会、河北潟干拓土地改良区、NPO法人河北潟湖沼研究所、河北潟自然再生協議会、河北潟ボートクラブ ア・リバーランズ、かほく市勤労者協議会、グリーン・アース農地・水・環境保全組織、湖南連合町会、津幡の水辺を守る会、津幡町環境安全課、津幡町教育委員会生涯教育課スポーツ係、日本科学者会議石川支部、日本ヘラ鮒釣り研究会金沢支部、日本野鳥の会石川支部、HBFA、北陸ランカースナイパーズ、森本ライオンズクラブ、レクレーションクラブPiebe's、レクレーションクラブRageon、静岡県西部モーターボートクラブ北陸支部、日本アマチュアKYOTEI連盟

河北潟湖面利用協議会事務局:河北潟自然再生協議会

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湖面利用ルールのチラシ komenriyou2017.pdf


posted by ちゅうひくん at 14:32| Comment(0) | 河北潟の情報

2020年04月22日

(報告)河北潟自主ゴミ拾い

 2020年4月19日に予定していた「河北潟クリーン作戦」は、新型コロナウイルス感染症拡大を懸念する声が高まり中止となりました。今年で26年目、通常600〜700名の方が参加する一斉ゴミ拾い活動です。とても残念なことでしたが致し方ありません。(クリーン作戦についてはこちら⇒http://kahokugata.sblo.jp/article/187255089.html )

 延期ではなく中止ですか?という事をよく聞かれましたが、河北潟の水辺でゴミ拾いに適した季節というのは、一年のうちにそう長くはなく、ちょうど4月、今の季節です。これより後から秋にかけては、水辺に草が生い茂ります。そうするとゴミが見つけにくくなり、また、ほとんどが垂直に護岸された河北潟の水辺では、水際が草で見えにくくなると水中に転落してケガをする危険がとても高くなります。冬になると草は枯れますが、今度は雪で覆い隠される日も多くなります。その他協力団体や行政の都合等も考えると、4月が実施に適した時期です。このため、今年は中止となりました。しかし中止になったからといってゴミは消えません。たくさんのゴミが見える状態で放置されているのはとても残念な事です。

 イベントとしての河北潟クリーン作戦は中止しましたが、予定していた8地点のうちのひとつの地点で、自主的にゴミ拾いを行いました。数人で、話すこともなく黙々とゴミ拾いを約1時間半続けました。この地点は今年新たに加わった地点で、これまで河北潟クリーン作戦でのゴミ拾いは行われていなかった地点です。これまで樹木がたくさんあった場所ですが、国土強靱化の号令の下に、2019年末から大規模な伐採が行われた場所です。(樹木伐採についてはこちら⇒http://kahokugata.sblo.jp/article/187117117.html )これまで覆い隠されていた場所の、たまりにたまったゴミが露わになっています。

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ゴミ拾い前

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ゴミ拾い後 手前はきれいになりましたが奥にはゴミがたくさん残っています

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ゴミ拾い中

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拾い集めたごみ

 どのようなゴミがあったのか、河北潟湖沼研究所で調べました。以下に紹介していきます。
<発泡スチロール箱>かさでいえば一番多かったのが発泡スチロール箱です。ゴミ袋11袋プラス7箱ありました。軽いのですがとてもかさばります。厄介なのは砕けて細かくなったものです。壊れやすいので、バラバラになりやすく、あちこちに飛び散っていました。とても軽いのでわざと捨てた、というよりは思いがけず風で吹っ飛ばされてしまった、というものも多いのではないかなと思います。
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細かくなると草に隠れて見つけにくいです。

<プラゴミ>12袋ありました。バケツや鉢他、何かの容器が砕けたものが多かったです。食品かお弁当が入っていたような容器が砕けたものも多かったです。このようにどんどん砕けて小さくなり、魚などがエサと間違えて食べてしまう事も問題です。箱型のプランターも複数個ありました。

<ペットボトル>9袋でしたが、ものの数で言えば一番多かったのではないでしょうか。不思議なのは律義にフタをきっちり閉めてあるものが多いことです。フタをきっちり閉める律義さがあるなら、ゴミ箱に捨ててほしいです。外側のフィルムは剥がれてしまったものがほとんどでした。細かくなってどこかを漂っているのでしょう。

<空き缶(飲料)>2袋。中にたばこの吸い殻をいっぱいに詰めているものもありました。

<ビン>3袋ありました。重いです。栄養ドリンクが入っていたのであろう茶色ビンが多かったです。お酒の大きなビンも何本もありました。それから調味料が入っていたビンです。作業中に1本割ってしまいました。ゴミ拾いの時は気をつけなければいけません。
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<ボール>19個ありました。軟式ボールが多かったです。きっとどこか上流から流れ着いたのでしょう。落とした子(たぶん)は無念だったでしょうね。
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<牛乳パックなどを運搬する箱>牛乳パックの運搬用コンテナです。5箱ありました。返却するのが面倒くさかったのでしょうか。

<そのほか>食器用洗剤、使いかけでした。/お好み焼き用ソース、これも使いかけでした。/ライター、数個/未開封のビール缶/未開封の食用油、賞味期限が10年前のもので2本ありました。/整髪料やシェービングクリーム?の空き缶、まだ少し中身が残っていました。/電球1個/蛍光灯1本/給食の配膳に使われているようなアルミトレー1個/壊れた三角コーン/スコップの先だけ/手箕(てみ)/バット2本/タイヤ1本/ヘルメット、会社名に名前も入っていたので捨てたのではなく不意に落としてしまったのでしょう。/大きな布の袋のようなもの(風袋?)/サンダル3個(片方だけ)等
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 ゴミの内容は以上のような感じでした。わずか数名での作業でしたがゴミの量がとても多く、例年数十人〜百人単位でひとつの地点で拾い集める量と同じくらいのゴミがありました。でもこの日拾うことができたのはほんの一画だけで、まわりにはまだまだたくさんのゴミが残っています。
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手つかずのエリア

来年27回の河北潟クリーン作戦が実施できる状況になっていることを願っていますが、現状から考えると新型コロナウイルスが来年に終息しているとも思えず、数百人、数千人以上の大きなイベントはこれまでのように実施できない状態が数年は続いてしまうのかなとも思います。来年には収まっていて、また以前のような形でゴミ拾いを実施できることが一番よいのですが、そうはならなかった時用のできる形も今から考えておかないといけないのかなとも思います。
 しかしゴミをたくさん見ていると、これはどんな状況で捨てられた/落としたのかなあ、といろいろ想像してしいますね。
タグ:ゴミ拾い
posted by ちゅうひくん at 19:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 河北潟の情報

2012年09月20日

売れてます。すずめ野菜

河北潟湖沼研究所では、河北潟地域で繁茂して問題になっている外来植物「チクゴスズメノヒエ」を堆肥化し、それを内灘砂丘地にある畑で利用して栽培した野菜を「すずめ野菜」と名付け、販売を開始しました。
河北潟の栄養を取り込んで繁茂した外来植物を、堆肥として有効利用することで、地域循環を作り出し、地域の環境問題の解決を目指しています。
現在地元のJAの店舗等で販売しています。

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春先に販売した「春一番タマネギ」

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ズッキーニ[ダイナ]

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島オクラ

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河北潟の夕焼けかぼちゃ

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販売所(JAかほくグリーンそくさいかん)
posted by ちゅうひくん at 14:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 河北潟の情報