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2014年02月21日

県知事選立候補予定者 谷本正憲氏からの回答

河北潟湖沼研究所は、河北潟自然再生協議会及び津幡の水辺を守り隊との連名で、石川県知事選に立候補を予定している各候補に対して、公開質問状を送付いたしました。このたび、現職の谷本正憲さんより回答をいただきましたので、下記に掲載します。

回答全文のpdfファイルは、こちらからダウンロードできます。
また、公開質問状は、1月30日の記事を御覧ください。
既に回答いただいている木村吉伸氏の回答はこちらにあります。

河北潟自然再生協議会、NPO法人河北潟湖沼研究所、津幡の水辺を守る会からの公開質問状への回答について

質問1 私たちは「河北潟の自然再生構想」のなかで「きめ細かい水位調整の促進と将来の水門開放を見据えた研究の実施」という課題を掲げています。これは具体的には、河北潟の基本管理水位を現在の+40cm から20cm 程度低くすることにより河北潟の本来の水の流れを取り戻し、周辺河川の水が滞留することに起因する水質悪化や生態系の劣化を改善すること、湖岸の植生沈没による衰退を防止するとともに、将来の河北潟の再汽水化による湖自体の水質改善、自然再生への道筋をつけることを展望しています。その際、河北潟の農業用水の確保の問題が生じますが、これに対しては、現在の貯木場防潮水門の位置を東部承水路湖南大橋付近まで後退させ、東部承水路からの取水に切り替えることと、森下川の取水体系を見直すことを提案しています。
 そこで、河北潟の水質改善と生態系の再生の観点から、水位管理や取水施設の設置場所の変更等を考慮した抜本的な施策を実施するお考えがあるかお聞かせください。また、他の改善策についてお考えがある場合はお聞かせください。

【回答】
 河北潟の水質は、水質汚濁の程度を表す指標であるCODの値が、平成6年は11mg/1でしたが、生活排水処理施設の整備といった水質保全対策に取り組んできた結果、平成24年には8.8mg/lと、徐々にではありますが、改善効果が表れております。

 河北潟のような閉鎖性水域の水質改善は、全国的にも苦労しており、単一の取り組みで一朝一夕に効果をあげることは難しいですが、下水道などの生活排水処理施設の整備をはじめ、周辺農地での化学肥料・農薬の低減や肥料分の流出しにくい緩効性肥料への切り替え、潟内への水質浄化材の設置など、関係市町の皆様と力を合わせながら、一つひとつの取り組みを着実に実施していくことが大切と考えています。

 なお、ご提案のありました、貯木場防潮水門を開放し、東部承水路に新たな水門を設置することについては、このようにした場合、海水が潟内に流入することになりますが、干拓地をはじめとする周辺農地の揚水施設は河北潟に設置されていることから、農地に塩害が発生することとなり、現実的ではないと考えています。


質問2 私たちは、シギ・チドリ類やコハクチョウなど多くの水鳥が飛来する河北潟は、ラムサール条約登録湿地にふさわしい潟湖であり、この条約の登録湿地となることをめざしています。河北潟のラムサール条約湿地への登録についてのお考えをお聞かせください。


【回答】
 ラムサール条約湿地として登録するためには、国指定島獣保護区の特別保護地区などに指定されることが前提となっており、水面の埋立・干拓や工作物の設置など土地利用に制約がかかることとなります。

 また、地元住民の皆様の同意を得る必要もあり、現に河北潟干拓地及び周辺農地で営農されている皆様に制約がかかる可能性もあることから、営農者をはじめ、地域住民の皆様などの理解を得ながら、合意形成を行うことが重要であると考えています。


質問3 干拓地農業の活性化を含む河北潟と周辺地域の持続可能な発展や、河北潟の環境保全・自然再生の取り組みを、永続的に担う地域住民の役割についてどのようにお考えでしょうか。また、河北潟の環境改善のために、石川県と住民とはどのように協働したらよいと考えておられますか。また、石川県が行う河北潟の環境政策の意志決定過程における住民等のステークホルダーとしての参加の方法としては、どのようなことをお考えでしょうか。

【回答】
 河北潟には、かつて国策としてスタートした大規模干拓と農業振興、快適な生活に不可欠な生活排水の処理、水質の改善、人々に安らぎを与える親水空間の提供、野鳥をはじめとする生物多様性の保全など、多岐にわたる課題があり、これをそれぞれ実現していくためには、行政のみならず、地域の住民をはじめ関係の皆様が知恵を出し合い、取り組んで行く必要があると思います。

 そのため、あらゆる機会を捉えて、お話しをお聞きし、ご説明をし、地域全体で問題意識を共有していくことが大切ですが、河北潟自然再生協議会の皆様が毎年開催しておられる「河北潟クリーン作戦」も、多くのボランティアの皆さんが参加され、河北潟の実情を理解する良い機会になっていると思います。

 また、毎年、河北潟周辺の2市2町の市長・町長や議員の皆様など地元を代表される皆様から構成される河北潟環境対策期成同盟会などからも、お話しをお聞きしているところであり、これからも関係の皆様の思いをお聞きし、協力しながら、事を進めていくことが大切であると考えています。


質問4 河北潟とその周辺地域を石川県のひとつの重要な資源として評価し、持続可能性の観点から河北潟を保全するための検討や具体的取り組みを実施する考えはありますか。また、河北潟と周辺地域の持続可能な地域振興策について、具体的なお考えをお持ちでしたらお聞かせください。

【回答】
 河北潟は、四季折々に移り変わる水辺の自然を楽しみながら、散策やジョギング、釣りなど、近隣住民の皆様のみならず多くの県民の皆様に利用されている身近な財産であり、これからも守っていかなければならない貴重な財産です。

 そのため、環境対策については、これまで申し上げたとおり、関係市町の皆様と力を合わせ、一つひとつの取り組みを着実に実施していくことが重要です。

 河北潟の活性化に欠かせない農業については、石川県全体の農業生産額が減少傾向にある中、河北潟干拓地では徐々に農業生産額が伸びており、レンコンと生乳が県内生産量の約半分、コマツナが約3割を占めるなど、石川県の一大農業生産拠点となっています。
 農業の担い手不足も全国的に叫ばれておりますが、河北潟干拓地は、石川県の農業を担う人材を育成する「いしかわ耕稼塾」の研修の場として活用されており、修了生の中には河北潟干拓地で新規に就農している方もいらっしゃいます。また、イオン鰍フ子会社であるイオンアグリ創造鰍焉A昨年から河北潟干拓地で農業に参入するなど、耕作放棄地の拡大が全国的に懸念される中、農業の活性化が進んでいる地域です。

 一方で、河北潟は、全国有数の渡り鳥の渡来地でもあり、観察拠点として県が設けた河北潟野島観察舎が多くの皆さんに利用されていますが、これからも全国有数の野鳥観察地として河北潟をアピールしていかなければならないと思います。

 このように、関係の皆様が力を合わせ、自然と人とが共生するモデル地域として、しっかりとした環境対策を行いながら、河北潟及び周辺地域の活性化を図っていくことが大切ではないかと考えており、必要なお手伝いをしてまいりたいと思います。
posted by ちゅうひくん at 17:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 重要なお知らせ
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