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2014年02月14日

県知事選候補予定者 木村吉伸氏からの回答

河北潟湖沼研究所は、河北潟自然再生協議会及び津幡の水辺を守り隊との連名で、石川県知事選に立候補を予定している各候補に対して、公開質問状を送付いたしました。このうち、「県民の会」の立候補予定者の木村吉伸さんより回答をいただきましたので、下記に掲載します。

pdfファイルは、こちらからダウンロードできます。
また、公開質問状は、1月30日の記事を御覧ください。


河北潟自然再生協議会のアンケートへの回答

2014/02/14
「県民の会」県知事予定候補 木村 吉伸


質問1
 河北潟の水質改善と生態系の再生の観点から、水位管理や取水施設の設置場所の変更等を考慮した抜本的な施策を実施するお考えがあるか、他の改善策について考えがあるか。

【回答】
「生命の水」を汚してはなりません。今日、開発優先型の公共投資によって、結果的には水質の汚濁がすすみ、本来あるべき自然の姿と水辺の生態系が壊されてきました。良好な水質と水量を確保し、動植物が豊富で美しい景観を有した水辺を取り戻し、自然と動植物の生態系を保全することは政治の責任に属する問題です。
 従来、自然災害対策の観点で行われてきた治水事業計画なども生態系の存続という配慮が必要です。水辺空間の整備を見直し、水と緑のネットワークを形成するための総合的な施策を展開することが大切と考えています。
河北潟の歴史と、河北潟を生活の糧として生計を立ててきた住民のくらしをふり返れば、貴会が指摘されるように「豊かな湖を消滅させた代償」の大きさを痛感します。「過去の河北潟の面影が完全にうしなわれつつある」だけに、河北潟の再生をめざして、自然との調和を取り戻し、水質汚染の生物的指標となる水生生物が生きる町づくりを、真剣に探求する県政の態度が求められています。
「将来の河北潟の再汽水化による湖自体の水質改善、自然再生への道筋をつける」「貯木場防潮水門の位置を東部承水路湖南大橋付近まで後退」させて、取水口を変更きりかえて、「森下川の取水体系を見直す」ことは重要な提案としてうけとめています。地元の声をよく聞きながら十分な検討を加えて、実施の方向も視野に入れて対応したいと考えます。

質問2
河北潟のラムサール条約湿地への登録についての考えはどうか。

【回答】
 ラムサール条約は、国際湿地保護条約とも呼ばれていますが、これまで開発の対象と思われてきた湿地は、水の浄化など、自然の恵みをもたらすものだと再認識されるようになり、地球温暖化対策のうえでも、その保全が重視されてきています。登録ずみの湿地の保全にとどまらず、ラムサール条約を通して広い視野で、環境について考えることが求められます。
 条約で言われている「賢明な利用」とは、漁業や農業などの振興に活用することも含まれるものと理解しています。「条約湿地」ともなれば、鳥類の生息地や生物の多様性もいっそう保存し、さらに地球環境と河北潟の環境改善に役立つことは確かなことです。
環境省は、国内500の「重要湿地」のなかに河北潟を入れており、国内選定基準には合致しているこを知り、認識を新たにしているところです。ただ、国指定の自然保護区とか、特別鳥獣保護区に指定されていることが要件のようです。しかし、河北潟は野鳥の会などもラムサール条約の登録をめざして活動を強めていますが、県指定の鳥獣保護区でとどまっています。
河北潟の干拓地利用と排水処理問題、河北潟に流入する堆積土砂の除去対策などが県議会でとりあげられて、議論をかさねています。河北潟干拓地の農家や、地元住民の意向と要望に深く留意し、「住民参加と合意」を得て、条約登録湿地にふさわしく潟湖の再生をめざす必要があると考えています。

質問3
 干拓地農業活性化を含む河北潟と周辺地域の持続可能な発展、環境保全・自然再生の取り組みを、永続的に担う地域住民の役割についてどう考えるか。環境改善のための石川県と住民との協働について、県の環境政策の意思決定における住民等のステークホルダーとしての参加方法を、どう考えるか。

【回答】
 将来にわたって良好な環境を維持していくために、環境汚染を規制し、生態系を守るとりくみを強化します。そのためにも環境汚染問題の解決には公共投資のあり方を根本的に再検討し、少なくとも、(1)汚染者負担の原則、(2)予防原則、(3) 国民・住民の参加、(4)徹底した情報公開などの視点は欠かせません。さらに、環境NGOが求めている「野生生物保護基本法」の制定をめざします。
 「河北潟と周辺地域の持続可能な発展」めざすには、どんなまちづくりが求められるのか、地域住民と市民団体、識者や行政などの議論と運動があります。河北潟周辺の「環境保全・自然再生」をめざすうえで、行政環境アセスメント制度(ふるさと石川の環境を守り育てる条例)のいっそうの充実を基本方向に据えて、北陸新幹線効果の名のもとにすすめている高規格道路の建設や、大規模開発の根本的な見直しを急ぐべきではないでしょうか。なかでも、「住民参加と情報公開」の充実と「代替案の検討」を義務づけ、さらに欧米で導入されている「政策の検討段階からの環境アセスメント(戦略的アセスメント)」の完全導入など、強く求めます。
日本農業の未来と食の安全問題とむきあい、先進国で最低水準に落ち込んできた自国の食料自給率を向上させ、持続可能な社会をどう築くのか、その政治の責任が問われています。河北潟干拓農業の活性化と発展を考えるには、安心して農業生産に取り組め、河北潟干拓農業で暮らせる条件を抜本的に整えることです。21世紀の世界は、「食料は金さえ出せばいつでも輸入できる」時代ではなくなっています。国土や自然条件を生かした循環型の社会への転換も求められる時代です。 
近年、定年退職者や若者の間で就農希望がふえ、農業への関心が高まっています。それを本格的にいかし定着させることは県政の重要な課題です。そのためには、国や県、市町と関係機関、地域社会が一体となった長期にわたる総合的な支援―「新規就農者支援法」を制定し、就農希望者の研修・教育機関の整備、農地の確保、資金、販路や住宅の紹介など総合的な支援体制の整備を求めます。

質問4
河北潟とその周辺地域を石川県の一つの重要な資源として評価し、持続可能性の観点から河北潟を保全するための検討や具体的な取り組みを実施する考えはあるか。また、河北潟と周辺地域の持続可能な地域振興策について、具体的な考えはあるか。

【回答】
今回のアンケートをうけて、「河北潟自然再生協議会」の活動や研究論文、河北潟の保全と持続可能な地域振興策を学び、その重大性に着目しているところです。環境NGOは生物多様性条約における野生生物保護の方針を国内法で担保するものとして4つの柱立てを構成し、その第一には包括的な保全策の必要性を指摘しています。
 この基本点をしっかりと踏まえて野生生物と共存共栄できる地域振興策をめざし、「河北潟とその周辺を石川県の一つの重要な資源」という県民意識を日常普段に高めるとともに、生産者と消費者との共同の運動の成果や、さまざまな分野のボランティアや専門家の英知をくみつくすなど、科学的な対応策を探求していくことが非常に大切と考えます。県内でも全国的にも環境保全に貢献する土地の利用手段として、自然に負荷をかけない「エコツーリズム実施」の経験などを、大いにいかし発展させたいものです。
 「安全でおいしい食料は石川の大地」で「野生生物と共存しあえる河北潟農業」を響かせ、産直活動の発展と都市間交流を広げることは大事な地域振興策です。参考紹介例にしては不十分ですが、さまざまな体験農園と結んでの農業ボランティア、市民農園、都市住民による農業生産への参加を募り、多種多様な形態で農業施策の充実を計り、条件にあった農業生産への参加を増やしつつ、農家と都市住民との交流を広げるようにします。
 その点では、河北潟の保全と金沢市近郊農業の積極的な役割を輝かせるとともに、農地と生産緑地を守る都市近郊農業政策の確立を求め、県・市町の条例で明確な位置づけをもたすことが重要になります。
posted by ちゅうひくん at 18:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 重要なお知らせ
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