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2010年01月10日

河北潟湖沼研究所15周年シンポジウム

sinpo0911d.JPGシンポジウムの報告は今回の第3部で最終です。シンポジウムでは、貴重な意見をたくさんいただきました。研究所がこれからしっかり活動していくためには体勢を整え、ビジョンを持ち、しっかりした仕組みをつくっていかなければならないと、いま内部で進めているWGの話し合いの重要さを感じました。大変な先の見えない道に突入するかどうかのところで大勢で立ち止まって考えているような、そんなイメージの浮かんだシンポジウムでした(記録者、高橋奈苗)。


第3部に入る前のディスカッション
(※ ディスカッションの前半部分は録音が十分にできておらず、正しくお伝えできないため省略させていただきました。申し訳ございません。)

新村さんより
さきほどの話の中で、NPOをやっていたら経済的な面とか、人的な面の問題がでてくるのですけども。さきほど河北潟湖沼研究所の15年の取り組みは評価していると言ったのは、私の希望ですけど、これまでやってきた研究とか、基礎知識とか情報とかあるものを、地域に密着したある意味のシンクタンクとして、行政とかあるいは農業者とか色んな人たちにもう少し使ってもらわないと駄目だと思います。そしてその時に、それに見合う対価を求めていかなければいけない。いつまでもサービスでやっているから駄目なのですよ。いまの話で、河北潟湖沼研究所はもうすこし一般の人たちにも周知が必要ではないかなと。友の会に入っているので、いろんな物もらっていますけど、そういう物は果たして行政や河北潟へ関係している人たちに伝わっているか、ということは甚だ疑問です。
ただ、少し宣伝だけしておこうかなと思うのですが、じつは「河北潟とわたしたちのくらし」という本が、平成19年度にできています。どこが作ったかというと、河北潟環境対策期生同盟会といいまして、いまは河北潟に関しては2市2町の組長さんとか議長さんがメンバーになっている、そういう組織があります。これは平成15年にできました。農業を含めて自然環境、あるいは水面関係、そういうことを含めたことで、国とか県に対する要望団体なのですよね。いままで要望する時に、単に要望するのではなくて、河北潟の実態に応じたもうすこし実情を調べる、あるいは必要なら調査をして、その調査結果に基づいて、河北潟について県とか国に要望していこうという団体です。そのためには住民の方から色んな意見を聞かないといけないということと、河北潟について干拓の前から、干拓して現状の認識を深めようということで、じつは子供達の環境副読本ということでつくられました。2市2町のいま小学校、中学校にすべていっていると思うのです。欲しい人は、実費で河北潟環境対策期生同盟会の事務局で手に入るのですけど。じつはこのなかに第6章ありまして、そのなかに3つの提言が載っているんです。ひとつが、当時わたしが平成6年から関わってきました河北潟水質浄化連絡協議会という生活排水を浄化するための協議会ですけど、そこでは河北潟のイメージというものをして、生活排水対策を取り組もうということです。2つめには河北潟環境対策期生同盟会がおなじく2市2町で河北潟に対しての将来像ということで、基本指針を作っています。それらをつくる時にあたっては、いろんな農業者の方の団体とか、自然再生協議会もそうですし、湖沼研究所のこれまでの提言とかいろんなことを参考にさせてもらっています。じつはこの3つめに河北潟湖沼研究所が1999年の「豊かな河北潟に、夢のある干拓地に」これが一種の提言として載っかっているんですね。そういう意味では、2市2町の組長さんや議長さんがメンバーである期生同盟会の中に、河北潟湖沼研究所の提言がちゃんと載っているとういことは、逆に言うと、そういうことを認識しているということですね。農業者の方たちのこれからどういうふうに取り組んでいくかという、自然と農業との共生のなかで、湖沼研究所に期待をしているし、いろいろアドバイスをもらっている。そういう意味では、地域に密着したそういう意味の研究者もおいでるから、わたしはシンクタンクじゃないかなと思います。ですから、行政のほうもそういう地域に密着したなにか施策をする時には、そのアイディアなりを、湖沼研究所に委託をして、それに見合った経費を支払うということをちゃんとやっていかなければならない。先ほどの話にもありましたけが、金沢市にこなん水辺公園というのがありまして、平成6年くらいに基本方針が出て、大串先生にも出ていただいて、じつはわたしも。こなん水辺公園は、「河北潟の昔の原風景をイメージして、そういう生態系のものにしてほしい。」と当時も意見を出していたのですが、現状はどちらかというとヨシ原ばかりで、つくるときに水を入れるのが最後でなくて、本当はもっと早い段階から水を入れておかなければ駄目だったのではないかなと思ったのですけど。それは結果論として、あそこにせっかく人が来てもビジターセンターとしての機能がないんですよね、どうしてかというとシルバー人材センターに委託をして、単なる管理当番として来ている人しかおいていないということで、やっぱりその場にふさわしい人がいないから、結局は宝の持ち腐れになってしまう。だから、できるだけ地域の自然のことビオトープのことをわかったグループや人に委託をする仕組みがいいのではないかということで、所管をしている緑と花の課に再三申し入れをしていました。ただ申し入れをしたのですけど、たぶん金銭的にすごく安いんですよね、たぶん。金額を伺っていないんですけど、、そこが行政というのは、NPOとかボランティアに頼むと、なんでも安くつくと。一部ボランティアの活動がやってくれるところは安くつくところもあるかもしれないけど、色んな事務経費であったり、それにふさわしい対価をを当然払わないといけない。できれば活動できる場所を確保していくことも、湖沼研究所がやっていくうえでは大事なことではないかなと。わたしは農業のほうとかわかりませんので、少なくとも会費だけで運営していくというのは限度がある。ボランティアでやっていくのは。ですから、いままで培ってきた15年間のノウハウを、やっぱり行政とかに認識してもらって、ふさわしい対価を払ってもらわないといけない。注文というのは、本当はというとこれは行政に対して言うべきところと思いますけども、そういう意識でこれからの湖沼研究所も取り組んでいっていただければ有り難いなと思います。

司会 中出さん
予算がつくという限りは、研究者、河北潟湖沼研究所にもそれなりの責任があるということになりますので、先生方いらっしゃいますけど、ちゃんと答えられるような組織になっていかなければならないと思います。ありがとうございました。


第3部 まとめ、ビジョンワーキングのとりくみ  永坂正夫さんより

「NPO河北潟湖沼研究所は必要か。」というタイトルで、それぞれ過激な意見が出されてもいいのではないかということでつくったのですが、大変参考になる意見をいただきました。

今井さんのほうから、かつての専門家集団として、強い言い方をすれば、こちらを向いていない、信用できない集団だった。それが地域住民と一緒に、というふうに見えるようになってきた、最近は少し姿が変わってきたんじゃないかという言葉をいただきました。おそらくNPOでやっていく場合には、地域を考えるということを忘れた時には、研究所の存在意義はほとんどなくなると思います。これはひとつ大事に考えさせていただきます。

新村さんの方からは、その一方で研究所は研究所であろう。地域、行政は行政区分にまたがっていることはできないことに対するシンクタンクになる、という役割がある。これは、もちろん今後も研究所の根幹になる部分だと思います。これをどのように対価として稼げるかということは、これから勉強していかなければいけないことです。ほんとうに商売になるようなことがあるのであれば、おそらく企業の方々、民間のほうですでに事業化されているとは思うのです。研究所としては、やはり経験、知識というものが評価されるところでいられるというのは、一番望ましい形だとわたしたちも考えました。今後も続けたいと考えます。

長原さん、野村さん、土地改良区のほうからは、なかなか厳しい意見で、とくに野村さんのやはり農業と自然というところで相容れない部分があるだろうと。そのあたりで、どうしたら共存が目指せるかという、切磋琢磨というふうにわたしは受け取ったのですけど。やはりそうあるべきだと思います。たとえば99年の河北潟湖沼研究所の生物委員会のところで出している河北潟将来構想のなかでは、当面汽水化はしないというふうには謳っているのですが、たとえば100年後とかそういうタイムスパンで考えた時に、汽水化しないというふうにはとっていない。いまのところ地域の自然と農業というのを目指そうと。ほんとうにたとえば100年、まあ200年というと長すぎるのですが、そういうタイムスパンの中では、決して全くこの形だけを是だとは言っているわけではないので、そこらへんはぜひ議論を続けさせていただければと思いました。

熊澤先生のほうからは、工学系との接点コラボレーションというのができればということで、ぜひそこらへんは研究所の中にも、工業系、土木、その他を得意とするものがいますので、ぜひ勉強させてください。

須崎さんのほうからは、何らかの形で、専従のメンバーが活動できるように確保しなければおそらく続かないだろうと。世代交代というのが、NPOというのは確かにそうだと思うのです。年とともにメンバーも高齢化していって続かない。そのときにやはり共有できるメンバーあるいはビジョンをきちんとたてねばならない。結局この話として、「研究所は必要か」というのを考えたのも、研究所自身がきちんとしたビジョンを持たない限り、これは持続できない、中出のほうからも出ていたことですけど、ボランティアでやるのはおそらく10年が限界だ。ほんとうにこの地域のために資するというならば、それだけでは持たない。事業化しようかというのは、このあと考えていきたいと思います。

今年度、理事長が大舘さんから、高橋の方に変わって、一度見直しをしてみようと。そして、研究所のほうでWGをつくって、将来どういうかたちで、やりうるのかということで「ビジョン」を明確にしなければならないだろうと。それから「事業」ですね、活動を続けるにはやはり事業を考えなければならない時期にきている。その事業にたいして、どういうものが可能であるか。それからもうひとつは、外部からの評価をいただく、「評価」、その3点にWGとして考えていくということを始めています。まだ研究所の内部でも意見は固まっていないのですが、いまメンバーの中でアンケートをとりながら出てきた意見だけ紹介させていただきます。

干拓地に対しては、23年に償還を迎える。そのなかで長期的な展望をもてる農業、持続可能な農業が地域になければ。それはやはり干拓地。この地域は大都市の近郊にありながら、農業地として守られた部分がある、将来的にどういう展望がもてるか、農業に関して、研究所として干拓地の有効活用策、具体的なモデルというのを模索するのはどうだろうかと。じつは研究所としては、不得手な部分ではあります。農業についてはじつは素人。生物を知っていたり、水質を知っていても、ほんとうの生産としての農業というのを、持続可能な農業を作り得るか。これにひとつトライしてみたらどうかということがアイディアとして出ています。最終的に研究所の方向になるかはわかりませんが、実践でモデルをつくってみたらどうかと内部からでています。

潟に対しては、水質の対策はもうある程度手法はわかってきている。もちろん農地など全般からでてくる面原負荷対策というのはなかなか難しいのですが、オーソドックスなかたちのところはもう決まっておりますし、ある程度これは行政が進める部分であろう。CODをたとえば下げるといった水質の単なる点ににこだわるのではなくて、農業地として安心して利用できるような農業用の水とか、あるいは安心して食べれる作物という視点での改善というものを研究所独自で考えていくべきではないか。おそらくCODを下げるといっても、それが地域あるいはまわりの生産者にとって、それが望ましい図なのかと、少しズレがあるかもしれない。直接浄化というのは、なかなか難しい、本当の意味でなかなか浄化対策に繋がらないという思いはあります。

自然の復元というところでは、1999年に提案していたような湖岸再生を、現実可能なかたちで提案していったらと。干拓地の方に対しては、こういったことを考えています。

周辺部分はどうあったらいいかということについては、まだ研究所のビジョン委員会でも尽きかねているところです。はたしてかつてのような水郷地帯を生かしたかたちでの地域振興、あるいはモデルというのはつくれるのか、ということはまだわからない。もちろん排水ポンプが止まると、現実的に水がつくような地域というのは、それを本当にポンプに頼らないようなかたちの地域のかたちを変えていくなんていうことは、本当にできるか。それは全くまだわからないことで、今後やっていこうと思います。

現在のところ、干拓地に対しては、持続可能な農業というのは研究所としても本気で考えなければならない時代だと、このようなことで現在議論を進めています。

15年というのは、これはわたし個人的なところですが、最初の2〜3年かかわって、「これはつきあいきれないわ。」といったん投げ出して、ここ数年またもどっています。関わっていた部分は生物だけで。非常に展望、NPOというのはなかなか難しい。どうやって持続させるかということを我々自身も考えなければならないし、ぜひこういったかたちで叱咤激励いただければ大変有り難いと思っています。


高橋久より終わりの挨拶
みなさん、どうもありがとうございました。なんとか河北潟湖沼研究所が続けられそうな感じがしましたので、今日の目的は果たせたかなと思います。いろんなあたたかい意見をいただきまして、これからも私たち努力して参りたいと思いますので、ぜひよろしくお願いします。

posted by ちゅうひくん at 13:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 最新情報
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