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2010年01月07日

河北潟湖沼研究所15周年シンポジウム

昨年11月29日(日)にシンポジウム『NPO法人河北潟湖沼研究所は必要か!?』が開催されました。
シンポジウムを終えてから数名の方に、「どうだった?」、「大丈夫でした?」と、声をかけられましたが、おかげさまで河北潟湖沼研究所は必要ないという話にはなりませんでした。

sinpo0911b.JPG

第1部において、湖沼研究所の歩みと目指すものについて説明がなされ、河北潟湖沼研究所のこれまでを振り返ることができ、色々な取り組みや目的について再認識しました。
第2部では、ゲストの皆様からとても貴重なご意見をいただきました。
第3部では、まとめとして、今日のシンポジウムでいただいたご意見と絡めながら、いま取り組んでいるWG(ワーキンググループ)についての報告がありました。

sinpo0911a.JPG

以下にシンポジウムの内容をお載せします。第2部、第3部はいま整理しているところです。
シンポジウム内容−−−−−−−−−−−−☆

第1部 『河北潟湖沼研究所のこれまでとこれから』 高橋 久

<歩み>
河北潟湖沼研究所は、1994年の10月に活動を開始。
最初は社団法人として作っていこうとして、そのための発起人会をおこない、その翌年には友の会をつくりましたが、1998年にはNPO法人にすることを協議し、1999年8月に石川県で3番目のNPO法人として認可を受けました。同年10月に手続きをして法人格を得ました。
1999年には、パンフレット「河北潟将来構想」を作りました。これはとくに生態系の分野から河北潟の将来を構想したものです。2000年には、河北潟で活動している色んな団体が加盟する「河北潟自然再生協議会」が発足し、活動に広がりがでてきました。
2006年4月には、干拓地農地の環境向上のための活動組織「グリーンアース河北潟」ができました。2009年よりこなん水辺公園に自然解説員を配置するということで、金沢市からの委託を受けて活動しています。同年5月からは、3つのWGで課題を取り組んでいます。

<発足時の河北潟湖沼研究所の考え>
1)地球環境と地域
当時流行っていた言葉でもありますが、「地球規模で考えて足下から行動しよう。」という考え方に立って進めていくことになりました。地域の中での問題を解決していくことが、地球全体の環境問題を解決する重要なヒントがそこにあるというふうに考えました。
2)地域を捉え地域の中でどう活動するか
1996年につくった河北潟湖沼研究所のパンフレットのなかに「河北潟湖沼研究所は自然と共存した地域社会の発展を探求します。」とあります。現在の環境問題はとても深刻ですが、そのためには色んな問題の解析をしなければならない。ひとつの問題だけでなく、色んな問題を総合的に捉え、そのなかで持続可能な地域社会を提案するということが、私たちの作業であると述べています。
3)研究と実践
地域に根ざした研究機関を目指していくこと。研究課題としては、河北潟および周辺地域の環境の現状の研究。それをおこなったうえで、河北潟および周辺地域の環境保全と地域振興に関する研究を行う。
地域の環境問題を解決するためには、地域を構成する住民、研究者、行政、企業との共同が必要と考え、実践を重視した3つの柱があります。1)研究活動、2)地域活動、3)それらを支える事業活動。実際にはこれがそのとおりにいかない難しさがありますが、設立当初からこうした理念を掲げていました。

<パンフレット河北潟将来構想について>
タイトル「豊かな河北潟に、夢のある干拓地に」の河北潟将来構想パンフレットは、4つの点を重視して作りました。
1)河北潟の自然環境の現状を正確に把握する。
もとの汽水湖に戻すのが良いという意見もありましたが、議論していく中で、干拓や淡水化のなかで失われたものもありますが、現在残っている自然環境や、干拓によって新しく生じた自然環境をあまり先入観を持たずに見て、現状を正確に把握しようということになりました。そのなかで、水辺が消失したこと、淡水化の問題点など、いくつか問題をピックアップしました。生物を調べていくと、自然が失われたと最初は単純に見ていましたが、干拓地があることで逆に生物相が豊かになっている部分もあるということがわかりました。パンフレットの裏表紙には、もとの河北潟にはいなかった草原性の鷹チュウヒ、豊かな植生のある水辺を代表する植物アサザ、広いヨシ帯があることを象徴するオオヨシキリ、この3つの生物を取り上げて、河北潟の一つの側面を示しました。
2)河北潟が農地であるということを重視する。
現在の河北潟の環境は、農地であることによって維持されている部分が大きいことから、干拓地が農地であることを前提にして将来構想を考えました。
3)再生の目標を設定する。
再生をどの時点を目標にするのか。何年ということではなく、何を目標とするのかを考え、調べていくと、むかしの河北潟には住民との接点が非常にあり、それがなくなってしまったことが非常に大きな問題ではないかと。目標としては、自然そのものを平面的に見るのではなく、そのなかにある潟と生活との接点に注目しようと考えました。
4)実現可能な案を作る。
現在の河北潟の形を大きく変えるのではなく、実現可能な改良をおこなうことに重点をおきました。同時に保全区域を設定すること、それから生物生息環境がネットワークとしてうまくつながるということを考えて作りました。

<定款>
河北潟湖沼研究所は定款のなかで3つのユニットがあります。1つはNPO法人としての仕組みとして、総会があり、会員がいて、理事会があって、事務局、それから研究課題や地域のビジョン等を考えるものとして基本課題検討委員会というものを置くことになっています。2つめに市民活動とネットワークの部分として友の会という組織が入っています。3つめは研究活動として研究会。実際にはそんなにうまく機能しているわけではありませんが、定款のイメージの中でこのようなことを掲げています。
NPO法人になった一番大きな理由は他に選択肢がなかったこと。社団法人を作るにはいろんな企業の協賛がいりますが、なかなかそれがとれていませんでした。また、もうひとつ大事な理由としては、環境問題を解決するには新しい枠組みが必要だろうということがありました。意志決定において、専門家だけでなく、住民もそこに入っていくということを重視するということでNPOが適しているのではないかと。行政には縦割りの問題がどうしても出てきますが、そこを打ち壊す部分というのはNPOが非常に大事で、様々な主体の接着剤になれるからです。

<河北潟湖沼研究所の最近の活動について3点>
1つは研究、地域の環境問題を科学的に捉えよう、2つめは研究の活用、市民の科学としての研究成果の活用の取り組み、3つめは実践、研究成果を実践の中で検証し、新しい公共としてのNPO活動。

<河北潟への私たちの考えるビジョンと、研究所のこれから>
WGは2009年度最初に発足させました。これは理事会の中での活動で、方針を出してビジョンを作るというものです。河北潟地域におけるビジョン、そのなかでの研究所のあり方や目標を決めていこうとしています。理事長としては、WGの答申を待って全体のビジョンと目標を考えていくということになります。以下は、今の段階での個人的な考えです。一部WGのなかででている意見もあります。
1つは干拓地における目標。河北潟干拓地における農業活動と自然再生を統一しようということを考えています。「湖に戻す、けれどそれが農地である」。
2つめは河北潟の周りにおける目標。地域全体の地形と流れのバランスを取り戻すとこと。災害に絶えられる地域、絶対に浸水がおきないということでなく、災害に絶えられるような構造。ポンプで汲み上げないと維持できない部分、これを正常な形に長期的にはもどしていくという考え方。
3つめは今後事業を行っていくことも考えていますが、方向としては河北潟における持続可能で生産的なモデル事業をすること。農業への参加、環境修復に関わるところでの事業展開を考えています。

                                      (記録、高橋奈苗)

posted by ちゅうひくん at 21:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 最新情報
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