延期ではなく中止ですか?という事をよく聞かれましたが、河北潟の水辺でゴミ拾いに適した季節というのは、一年のうちにそう長くはなく、ちょうど4月、今の季節です。これより後から秋にかけては、水辺に草が生い茂ります。そうするとゴミが見つけにくくなり、また、ほとんどが垂直に護岸された河北潟の水辺では、水際が草で見えにくくなると水中に転落してケガをする危険がとても高くなります。冬になると草は枯れますが、今度は雪で覆い隠される日も多くなります。その他協力団体や行政の都合等も考えると、4月が実施に適した時期です。このため、今年は中止となりました。しかし中止になったからといってゴミは消えません。たくさんのゴミが見える状態で放置されているのはとても残念な事です。
イベントとしての河北潟クリーン作戦は中止しましたが、予定していた8地点のうちのひとつの地点で、自主的にゴミ拾いを行いました。数人で、話すこともなく黙々とゴミ拾いを約1時間半続けました。この地点は今年新たに加わった地点で、これまで河北潟クリーン作戦でのゴミ拾いは行われていなかった地点です。これまで樹木がたくさんあった場所ですが、国土強靱化の号令の下に、2019年末から大規模な伐採が行われた場所です。(樹木伐採についてはこちら⇒http://kahokugata.sblo.jp/article/187117117.html )これまで覆い隠されていた場所の、たまりにたまったゴミが露わになっています。

ゴミ拾い前

ゴミ拾い後 手前はきれいになりましたが奥にはゴミがたくさん残っています
ゴミ拾い中
拾い集めたごみ
どのようなゴミがあったのか、河北潟湖沼研究所で調べました。以下に紹介していきます。
<発泡スチロール箱>かさでいえば一番多かったのが発泡スチロール箱です。ゴミ袋11袋プラス7箱ありました。軽いのですがとてもかさばります。厄介なのは砕けて細かくなったものです。壊れやすいので、バラバラになりやすく、あちこちに飛び散っていました。とても軽いのでわざと捨てた、というよりは思いがけず風で吹っ飛ばされてしまった、というものも多いのではないかなと思います。
細かくなると草に隠れて見つけにくいです。
<プラゴミ>12袋ありました。バケツや鉢他、何かの容器が砕けたものが多かったです。食品かお弁当が入っていたような容器が砕けたものも多かったです。このようにどんどん砕けて小さくなり、魚などがエサと間違えて食べてしまう事も問題です。箱型のプランターも複数個ありました。
<ペットボトル>9袋でしたが、ものの数で言えば一番多かったのではないでしょうか。不思議なのは律義にフタをきっちり閉めてあるものが多いことです。フタをきっちり閉める律義さがあるなら、ゴミ箱に捨ててほしいです。外側のフィルムは剥がれてしまったものがほとんどでした。細かくなってどこかを漂っているのでしょう。
<空き缶(飲料)>2袋。中にたばこの吸い殻をいっぱいに詰めているものもありました。
<ビン>3袋ありました。重いです。栄養ドリンクが入っていたのであろう茶色ビンが多かったです。お酒の大きなビンも何本もありました。それから調味料が入っていたビンです。作業中に1本割ってしまいました。ゴミ拾いの時は気をつけなければいけません。
<ボール>19個ありました。軟式ボールが多かったです。きっとどこか上流から流れ着いたのでしょう。落とした子(たぶん)は無念だったでしょうね。
<牛乳パックなどを運搬する箱>牛乳パックの運搬用コンテナです。5箱ありました。返却するのが面倒くさかったのでしょうか。
<そのほか>食器用洗剤、使いかけでした。/お好み焼き用ソース、これも使いかけでした。/ライター、数個/未開封のビール缶/未開封の食用油、賞味期限が10年前のもので2本ありました。/整髪料やシェービングクリーム?の空き缶、まだ少し中身が残っていました。/電球1個/蛍光灯1本/給食の配膳に使われているようなアルミトレー1個/壊れた三角コーン/スコップの先だけ/手箕(てみ)/バット2本/タイヤ1本/ヘルメット、会社名に名前も入っていたので捨てたのではなく不意に落としてしまったのでしょう。/大きな布の袋のようなもの(風袋?)/サンダル3個(片方だけ)等
ゴミの内容は以上のような感じでした。わずか数名での作業でしたがゴミの量がとても多く、例年数十人〜百人単位でひとつの地点で拾い集める量と同じくらいのゴミがありました。でもこの日拾うことができたのはほんの一画だけで、まわりにはまだまだたくさんのゴミが残っています。
手つかずのエリア
来年27回の河北潟クリーン作戦が実施できる状況になっていることを願っていますが、現状から考えると新型コロナウイルスが来年に終息しているとも思えず、数百人、数千人以上の大きなイベントはこれまでのように実施できない状態が数年は続いてしまうのかなとも思います。来年には収まっていて、また以前のような形でゴミ拾いを実施できることが一番よいのですが、そうはならなかった時用のできる形も今から考えておかないといけないのかなとも思います。
しかしゴミをたくさん見ていると、これはどんな状況で捨てられた/落としたのかなあ、といろいろ想像してしいますね。
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