基本情報、研究成果などは、Webサイト「チュウヒのふるさとかほくがた」を御覧ください。
Copyright (C)2009-10 Kahokugata Lake Institute.
 

2014年07月10日

河北潟地区国営土地改良事業推進協議会と河北潟干拓土地改良区への要望書

 河北潟湖沼研究所も参加する河北潟自然再生協議会は、6月28日に通常総会の決定を受け、河北潟地区国営土地改良事業推進協議会と河北潟干拓土地改良区に要望書を提出しました。
 国営土地改良事業推進協議会への要望書は、国営事業として河北潟地区において進められようとしている揚水機場の改修と土地改良事業調査に対して、自然環境保全に留意することを求めるものです。会長の山野金沢市長に直接手渡しました。
 河北潟干拓土地改良区に対しての要望書は、河北潟干拓土地改良区が進めることとなっている太陽光発電施設計画にあたり、ヨシ原の保全を求めるもので、土地改良区事務局を通じて理事長に提出しました。
 それぞれの要望書の全文は以下のとおりです。

----------------------------------------------------------------------------------------

2014 年6 月28 日
河北潟地区国営土地改良事業推進協議会会長 山野之義殿

河北潟自然再生協議会
代表世話人小谷達郎

河北潟及び周辺地域の自然環境への配慮を求める要望書

 北國新聞6 月27 日朝刊によると、貴協議会は、国営施設応急対策事業をすすめ揚水機場
の更新をおこなうことともに、将来的に排水施設の更新や整備をおこなうための国営土地
改良事業地区調査に着手するよう関係機関への要望をおこなうとされています。
 これまで河北潟周辺地域において実施されてきた農業排水施設の整備やその他の湛水防
除事業において、自然環境への十分な配慮がおこなわれてこなかったため、地域の水辺環
境の多様性は失われてきました。現在の河北潟周辺地域の農業排水路は、人工化が進み自
然環境の点からは劣化した水辺となっていますが、それでも残された水生生物の生息空間
として重要な環境です。実際に、農地・水保全管理支払交付金の農村環境保全活動でおこ
なわれている子ども達の生物調査の多くは、こうした農業排水路で実施されています。
 河北潟周辺地域において、これ以上の水辺の劣化を避け、野生生物と子ども達のための
空間を残すためには、排水路を含む農業排水施設が、野生生物の重要な生息空間であると
いう認識を持って、施設の整備、更新が図られることが肝要と考えます。
 そこで、当協議会は、貴協議会の設立にあたり、河北潟の自然環境保全と野生生物の生
息空間の確保のため、以下のことを要望いたします。なお、本要望書は6 月28 日に開催さ
れた河北潟自然再生協議会通常総会の特別決議に基づき提出するものです。

1.農業排水施設の更新にあたり、生物多様性の観点を取り入れ、環境の劣化を防ぐとと
もに、できるかぎり自然の再生を図ること。

2.事業の実施にあたっては、河北潟自然再生協議会をはじめとする住民組織や地域で活
動する環境NPO 等との調整を図ること。

3.自然環境・野生生物の分野の専門家に聞き取りをおこなうなどして、その意見を事業
計画に活かすこと。


-------------------------------------------------------------------------------------------

2014 年6 月28 日

河北潟干拓土地改良区理事長 焼田宏明殿

河北潟自然再生協議会
代表世話人小谷達郎

河北潟干拓地における太陽光発電施設の建設にあたり自然環境への配慮を求める要望書

 河北潟干拓地は、農地であるとともに、多くの野生生物にとって重要な生息環境です。
特に河北潟干拓地内の未耕作地や排水路沿いに拡がるヨシ原は、石川県指定希少野生動植
物に指定されている猛禽類のチュウヒにとって営巣地や餌場として無くてはならない環境
です。その他、オオヨシキリやコヨシキリ、ツバメなどの鳥類、タヌキやキツネといった
哺乳類の生息場所としても重要です。
 北國新聞6 月27 日朝刊において、河北潟干拓地において太陽光発電施設を建設すること
が報道されました。農家の負担軽減を図ることを目的として計画されたものであり、河北
潟自然再生協議会として建設自体に反対するものではありませんが、太陽光発電には通常
広い面積を必要とすることから、野生生物の生息空間を守ることとの競合が生じる可能性
があります。
 先に述べたとおり、特にヨシ原は野生生物の生息環境として重要ですが、干拓地内の未
利用地であることから建設場所の候補地となることが懸念されます。そこで干拓地の自然
環境としての質が保全されるよう、以下について要望します。なお、本要望書は6 月28 日
に開催された河北潟自然再生協議会通常総会の特別決議に基づき提出するものです。

1.太陽光発電施設の建設にあたっては、できるだけ自然環境に配慮した計画とし、まと
まったヨシ原を保全すること。

2.事業実施にあたっては、河北潟自然再生協議会やその他、グリーン・アース農地・水・
環境保全組織に参加する団体との整合を図ること。

3.自然環境・野生生物の分野の専門家に聞き取りをおこなうなどして、その意見を事業
計画に活かすこと。

----------------------------------------------------------------------------------------------
pdfファイル
河北潟及び周辺地域の自然環境への配慮を求める要望書
 (河北潟地区国営土地改良事業推進協議会宛て)
「河北潟干拓地における太陽光発電施設の建設にあたり自然環境への配慮を求める要望書」
 (河北潟干拓土地改良区宛て) 
 
 
posted by ちゅうひくん at 17:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 最新情報
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/101584351

この記事へのトラックバック