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2018年10月31日

報告(10/16)日本海側汽水域の現状と生態系機能の再生・世界湖沼会議ワークショップ

10月16日の第17回世界湖沼会議ワークショップ「日本海側汽水域の現状と生態系機能の再生」のご報告です。
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最初にコーディネターの永坂正夫氏(河北潟湖沼研究所)から日本海側汽水域の特徴について、汽水域は生産性の高い水域で昔から食糧資源供給の場であったが、戦後、農地造成を目的に干拓や埋立が行われ、農業用水確保のための淡水化が推進されたこと、事業が開始された時期によって、八郎潟、河北潟、中海がそれぞれ異なる道を歩むことになったこと、湖山池はこれらとは異なり海水導入により環境改善が図られたこと等の説明がありました。

近藤正氏(秋田県立大学)からは八郎潟で長期的な水質等のモニタリングを続けてこられた結果解明されたことを中心に説明いただきました。1987年に一度海水が入った際にヤマトシジミが大発生したこと、同時にアオコが発生しなかったことが印象的でした。

河北潟については、高橋久より干拓事業の経緯と、干拓事業によって生じた問題と順応的管理による保全の取り組みの限界と今後の方向性について、流域から流入する水質の改善と海水の再導入を提案していることを説明しました。

宍道湖・中海について竹下幹夫氏(宍道湖・中海汽水湖研究所)から報告があり、干拓事業の中止の経緯や水質の改善が進んでない状況、シジミの漁獲量の減少傾向について説明がありました。

日置佳之氏(鳥取大学)からは、湖山池の水質悪化とヒシとアオコの大発生があり、再汽水化政策が取られた経緯、塩分濃度調整にさまざまな問題が生じたこと、現在は、水門の改良により塩分濃度の調整が可能となってきていること、今後は海と連結する流路の改善が必要との説明がありました。

報告の後のパネルディスカッションでは、コメンテーターの山室真澄氏(東京大学)から再汽水化の困難な点や汽水域では塩分濃度により生息できる種が限れることから、ネオニコチノイド系農薬の使用などによるリスクが大きいことが指摘されました。

ワークショップ全体として、本来の汽水域をどのような状態にして管理するかは、科学的な検討が欠かせないことが示されました。
参加者は22名でした。
(報告 高橋 久・河北潟湖沼研究所理事長)

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posted by ちゅうひくん at 18:07| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント報告